むかしむかし(というほど前でもありませんが)、日本各地を旅すると、手作りのぬくもりあふれる工芸品を見つけることができました。織物しかり、木工しかり。
何の話?ですって? はい。まちセンが3回にわたって開く「トークライブ」の話です。テーマは、ローカル、地域に根付くもの。使い手、担い手の文化を育てようという視点から、様々な方をお招きし、講演や対談で未来への思いを語っていただきます。
第1回は9月27日、ワコールスタディホール京都で開かれました。登壇者は、ワコールスタディホール京都館長の鳥屋尾優子さん、COS KYOTO株式会社代表取締役の北林功さんです。
ワコール創業者の塚本幸一さんは、インパール作戦から生還された壮絶な戦争体験があり、「平和な時代が続くよう、女性を美しくしたい」という決意で、会社を興されました。ワコールには今でも、その精神が脈々と受け継がれていることを、鳥屋尾さんがご説明されました。
北林さんは、地場産業をグローバルな文化ビジネスにしようと、世界を駆け回っていらっしゃいます。世界の中で「その場所にしかない文化的価値」に目を向け、地域の人の生活を豊かにするのが目標です。
それぞれのご活動紹介の後、お2人の対談がスタートしました。テーマは「美意識」です。
以下、お2人の言葉の一部をご紹介します。
「ものを作ることが目的ではない。くらしや文化を創ることが目的なのです」
「日常生活の美しさに気づけば、生活は豊かになるはず」
「まち並みはすぐ変わらないかもしれません。でも、身近な生活のなかで、我慢したり思いやったりすることから始めてはどうでしょう」
そして、ご登壇されたお2人は、とっても素敵な装い。景観・まちづくりの仕事をしているのに、「美」に無頓着だったかもしれないと、わが身を反省しました。
私も、京都のまち並みのどこに美しさを感じるのか、何を大切に守っていきたいのか、考え続けようと思った次第です。
第2回は、10月11日午後7時から、京都信用金庫朱雀支店の山口一剛支店長と、「世界文庫/世界文庫アカデミー」を主宰するデザイナー、古賀鈴鳴さんがご登壇されました。当日の様子を、またご報告します。どうかお楽しみに!