まちセン20周年日記「まちセンスタッフがゆく」

20周年記念シンポジウムを開催しました!

公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター(まちセン)が設立されて、20年が経ちました。これまでの歩みを振り返り、京都のまちづくりの未来を展望する記念シンポジウムが、11月25日に開催されました。


シンポジウムは、青山吉隆理事長による開会のご挨拶で幕を開けました。住民との信頼関係を築きながら、まちづくりや京町家の保全を推進してきた、これまでの経緯を振り返りました。

そして、いよいよ講演が始まりました。
最初にご登壇されたのは、近藤文化・外交研究所代表で、元文化庁長官の近藤誠一氏です。「グローバル化が進む中、地域固有の文化的価値が注目されています。自然と文化財と生活が一体となったまち、京都は、これからさらに存在感を増すことでしょう。文化庁の移転で、文化政策の向上が期待できるかもしれません」とお話になりました。


続いて、在オランダ建築家の吉良森子氏が「アムステルダム 生き続ける町をつくる」というタイトルでご講演されました。運河とレンガの建物が印象的なオランダの首都、アムステルダムでは、景観を守る様々な工夫がされています。時代とともに変化する人々の生活を守りつつ、伝統的なまち並みを保存する試みの数々。古い教会を再生する試みは、とてもユニークでした。

休憩をはさんで、Googleアジア太平洋地域ブランド&マーケティングマネージングディレクター兼日本法人専務執行役員CMOの岩村水樹氏がご講演されました。外国人観光客が増え続ける京都。インターネットを使ったサービスが、観光業を飛躍させる可能性を持つという刺激的な内容でした。


その後は、株式会社らくたび代表取締役、京都学講師の若村亮氏と、吉良森子氏のトークセッション。吉良氏によると、アムステルダムも京都と同様に観光客が増えているそうです。「観光」対「生活」というように対立させて考えるのではなく、「外から来る人の力をいかせないでしょうか」と考える吉良氏。若村氏は「例えば、観光という形で京町家の暮らしを体験することが、何らかの気づきにつながるのではないでしょうか」とお話になりました。確かにいきなり京町家に住むのはハードルが高いと思われる方も、観光という形でふれるなら、四季を慈しむ習慣やおもてなしの心を学ぶ、いい機会になりそうです。


最後に、門川大作京都市長に閉会のご挨拶をいただき、シンポジウムは盛況に終了しました。
この季節、ちょうど紅葉が見ごろを迎えています。100年後も200年後も、ずっと古都の美が伝えられていきますように。
まちセンスタッフ一同、心を新たに頑張ります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。