まちセン20周年日記「まちセンスタッフがゆく」

新春公開座談会を開催しました!

財団設立当初、評議員にご就任いただき、現在も役員をお務めいただいている5人の方たちにご登壇いただき、「新春公開座談会」が1月13日に開催されました。まちセンの20年間の事業やご自身の専門の領域から、京都のまちづくりについて振り返り、これから理想とされるまちづくりについて語り合っていただきました。

ご出席いただいたのは、WIN一級建築設計事務所主宰の栗山裕子さん、京都美術工芸大学教授(工芸学部長)の髙田光雄さん、(株)ケイアソシエイツ代表の長谷川和子さん、 京都府立大学副学長の宗田好史さん、進行役を(一社)住宅長期支援センター理事長の東樋口護さんがお務めになりました。
座談会ではまちセンの20年間の歴史を振り返りつつ、将来を展望しました。
栗山さんは、「京町家の保存・継承については、条例化など、成果をあげることができた」としつつ、「景観については、もっと踏み込んでもよかった。京都には町家もあれば、近代建築もある。色々な建物が織り成す京都のはず」とお話になりました。
多様な価値観は、京都のまちの面白さにつながっています。髙田さんは「三条通には色々な時代の建物があり、そこに楽しさがある。京都のまちは、異なる価値観が共存しているところが魅力」とおっしゃいました。
長谷川さんは、「日本の社会は縦割りになり、たこつぼ化している。様々なマネジメント能力を持った人を集めて、イノベーションを起こしてほしい」と、まちセンへの期待を語られました。
宗田さんはまちセンが果たした役割を「メディエーター、いわゆる仲介をする役割を持った人を大量に招いたこと」と位置づけられ、「町家の再生、まちなみや景観を守ることは、社会の規範が表れたものを次世代につなげること」とお話しされました。
最後に東樋口さんが「まちセンは価値観の共有というところから出発し、パートナーシップの手法を確立してきました。衰退する地域、観光、教育など、色々な問題がありますが、異なる価値観をもつ者同士、どのように協働していくのかが、次の20年間の役割のように思います」とまとめられました。