京都のまちを緩やかに流れる多くの河川は、京都の顔としての役割を担っています。京都のまちは、河川と深い関わりを持ちながら形成されてきました。
人とまち、河川との関わりは古く、河川があるところに生活の営み、そして文明が形成されてきました。飲料水や農業用水等生存するための手段だけでなく、動力としてや運搬手段として、そして時には信仰 の対象として、河川と人はともに歴史を重ねてきました。
河川の周辺に多数の人が住み都市として発展してくると、必然的に治水の必要性が高まりました。日常生活を脅かす洪水は、都市に暮らす人々の脅威であり、治水事業による安全確保が欠かせませんでした。
今日では、河川の水や緑は、私たちの生活に潤いを与える役割が高く評価されてきています。特に水とは疎遠になった都市生活において、水や緑との触れ合いが強く望まれるようになってきています。将来に向けても、河川はより質の高い現代生活を営むための様々な要素を提供する可能性を秘めています。
本コンクールは、都市部に残る貴重なオープンスペースである堀川を対象に、これからの時代を担う学生の皆さんに、人とまちと河川の関わり方やこれからのあり方について、堀川を京都の顔としていかに復活させていくかをテーマに提案を求めました。
午後6:30〜 (財)京都市景観・まちづくりセンター
(参加/堀川と堀川通りを美しくする会、京都堀川ライオンズクラブ、堀川周辺学区居住者、学生グループ)
意見交歓会は、コンクールに参加する学生と、日頃から堀川と深く関わっておられる方々とのはじめての顔合わせでした。 学生グループからは、現段階で考えている堀川の再生案を発表し、それに対して出席者から意見やアドバイスなど活発な意見交歓が展開されました。
コンクールに参加した4チームから、これまで研究した内容をふまえ、それぞれの専門性を活かした、特徴のある提案が発表されました。
審査は、堀川周辺学区から当日参加した20数名により投票を行い、得票数により最優秀賞・優秀賞を決定しました。
堀川桜まつりのイベントの一環として、コンクールの表彰式・シンポジウムを城巽中学校体育館で行いました。シンポジウムは、水工水理学を専門にされる中川博次立命館大学理工学部教授・京都大学名誉教授をコーディネーターに迎え、堀川と堀川通りを美しくする会、京都堀川ライオンズクラブ、そして最優秀賞を獲得したチームをパネラーとして、『あすの堀川』についてのパネルディスカッションを行いました。
全応募グループの提案内容やコンクールの取組を掲載した作品集を発行しました(無料)。ご希望の方はセンターまでお申し出ください。
賞名 | 大学・グループ名 | 作品タイトル |
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最優秀賞 | 森田研究室 (京都工芸繊維大学工芸学部) |
「堀川再生計画 水辺空間の再発見」 |
優秀賞 | Landscape Laboratory (立命館大学理工学部) |
「流れの再生〜みず・ひと・とき〜」 |
優秀賞 | インチキ計画研究室 (京都精華大学美術学部) |
「堀川平成大改造案 風流」 |
優秀賞 | 芸短チーム (京都芸術短期大学造形芸術学科) |
「堀堤 HORIDEI〜包・憩・交・連」 |