活動実績

講演摘録

京都の伝統―何を守るのか

京都大学名誉教授 三村 浩史 氏

みやびやかな京都から国家戦略として守れと要請する場合に、それでは何を守るのか、ということですね。国家戦略にしろというからには、京都で、京都人が、私たちはこんなまちにすると、そしてここまで努力をしている、しかし、なおかつここまでレベルを上げた保存とか文化の維持をしようとしたらこんな仕事をしないといけない、だから協力してくれ、ということでなければいけない。京都というのはそういう歴史的なものの場所性、いろいろなものが一つの盆地とそのまわりで積み重なっていて、しかも非戦災でまだまだ何が出てくるか分からない、そういう京都の歴史の厚みと、そして現在の活動の一体化ということがあって、その目で見れば世界的にも稀なすごい都市だということを認識しないといけない。京都らしい都市景観、ここは景観・まちづくりセンターですが、ただ東山の景色を守れとか、お寺のまわりをきれいにしようとかそういうことだけではなく、景観というのは土地全体なのですね、だから東山山ろくの社寺とかその部分とか世界歴史遺産だけではなくて、盆地の景色全体が、盆地と言う地形、内陸の都市の盆地があって、それで河川が真ん中を走っていて、そこにまちが築いてきたこの姿全体が、昔で言うと風水でも良く適ったまちですけど、そのまちで持っている姿をよく基礎において考えないといけない。山の姿も大変変わってきています。昔の赤松の林もシイだとかどんどん変わってきていて、4月になったらわき上がるような新緑になってきて山の景色が変わりましたね。鴨の川原の夕涼みとか言っていますが、今、四条の橋の上から覗き込んだら溝みたいに深くなっています。洪水対策で掘り込まれています。山紫水明といっても徐々に景色が変わっていくのに我々は気がつかない。景観という視点からまちをきちんと点検しないといけないと思います。

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