京町家の風情を残したまま、
美しく息を吹き返した龍谷大学深草町家キャンパス
平成24年度景観重要建造物 指定
小西邸は文久元年(1861年)に建築された築151年になる厨子2階建の母屋のほか、離れ、道具蔵、米蔵があり、旧街道沿いの地域様式をよく残しています。明治から大正時代にかけ呉服商を営まれていましたが、平成22年以降空き家となっていました。
改修後の龍谷大学深草町家キャンパスの外観
2011年より京都市伏見区役所深草支所、龍谷大学、(社)京都府不動産コンサルティング協会等の協力も得て、活用と改修方法の検討を行い、京町家まちづくりファンドでの支援が決まった後、京都市の景観重要建造物に指定されたことで「京都市伝統的な木造建築物の保存及び活用に関する条例」の初の適用を受け、改修工事が進められました。
所有者の小西さん(左)龍谷大学の長谷川さん(右)
通り庭入り口には龍谷大学の暖簾
奥の蔵まで続いている立派な中庭
当初は躯体のゆがみや屋根などに傷みもありましたが、京町家の風情を残したまま、美しく息きを吹き返しました。改修後、2013年の春より龍谷大学が借り受け「深草町家キャンパス」として学生 の研究発表の場や地域住民との協働活動・交流拠点として活用されています。
火袋に見る梁の造形美
四季を感じさせる椿の花
所有者 小西さんのお話
短い期間とはいえこの町家に居住していましたので取り壊すには愛着がありましたし、京都市景観・まちづくりセンターはじめ、京都市役所各関係課の皆様の町家保存に向けた熱心なお話を聞き改修することにしました。将来にわたってこの町家が良好に保存され、昔の面影を残したまま継続して利用されるように願っています。