京都は,町衆の主体的なまちづくりの取組によって築かれ,絶えずわが国の都市づくりを先導してきた。すなわち,市民が誇りを持ち,国内外からも賞賛される京都のまちは,山紫水明の美しい自然のみでなく,洗練された文化や美意識・価値観が反映されて形作られた都市であり,それはまさに「衣食足りて礼節を知る」のごとく,地域の高い経済力と活力ある地域コミュニティを背景とした町衆の主体的なまちづくりの取組によって支えられ,培われてきた。
しかし近年,京都の地域の活力の低下とコミュニティの弱体化がかつてない速度で進み,その結果,都市景観や住環境の悪化など京都の人格(アイデンティティ)が失われつつある。
21世紀においても京都が京都で在り続けるためには,こうした課題に果敢に対応し,景観の保全・創造,質の高い住環境の形成など京都の都市特性を更に伸ばし深めていくことが必要である。そのためには,既存の行政の枠組みでの対応だけでなく,市民と行政の役割を明確にしたうえで,市民にとって身近な課題については,市民が責任ある立場で主体的に取り組むとともに,行政はそれを支援するというパートナーシップによる地域まちづくりの推進が求められる。
こうしたパートナーシップによるまちづくりを推進するためには,中立的な立場で住民や企業,行政といったまちづくりを担うすべての主体の橋渡し役などを担う第三者機関によって,新たなまちづくりシステムを構築することが必要である。
よって,ここに,市民の景観・まちづくりに関する意識を高め,地域コミュニティが抱える問題を解決するために必要な支援を行うとともに,町家,袋路など京都固有のまちづくり資源の保全・活用・再生を図るなど,住民,企業,行政の主体的な取組と協働を推進するための各種事業を行い,もって,景観の保全・創造,質の高い住環境の形成など京都の都市特性の更なる伸長に寄与することを目的として,財団法人京都市景観・まちづくりセンターを設立する。
平成9年 (1997年) |
10月1日、京都府知事の設立許可を受け、財団法人「京都市景観・まちづくりセンター」を設立 |
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第1回 京町家まちづくり調査(実施期間:平成9年12月〜平成11年4月) | |
平成10年 (1998年) |
京都学生まちづくりコンクール開催 |
平成13年 (2001年) |
「まちなみ住宅」設計コンペ開催 |
設立から5年 | |
平成14年 (2002年) |
第1回 京都まちづくり交流博開催 |
平成15年 (2003年) |
京都市景観・まちづくりセンター開所に伴い事務所移転 |
平成16年 (2004年) |
第2回 京都まちづくり交流博開催 |
第2回 京町家まちづくり調査(実施期間:平成16年1月〜3月) | |
平成17年 (2005年) |
5月9日、全国初となる景観整備機構の指定を受ける |
9月、京町家の保全・再生・活用を促進する事業を行うための基金「京町家まちづくりファンド」設立 |
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平成18年 (2006年) |
全国都市再生モデル調査「歴史的街区における空き家等ストック活用による新たなまちづくりの実証的調査」 |
第3回 京都まちづくり交流博開催 |
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設立から10年 | |
平成19年 (2007年) |
10月1日、設立10周年 |
平成20年 (2008年) |
第3回 京町家まちづくり調査(実施期間:平成20年10月〜平成22年3月) |
平成22年 (2010年) |
ワールド・モニュメント財団からの支援を受け、「京町家再生プロジェクト」事業開始 |
平成24年 (2012年) |
4月1日、公益財団法人に移行 |
平成25年 (2013年) |
第2回まちづくり法人表彰「まちの活性化・魅力創出部門」において国土交通大臣賞を受賞 |
米国「Travel+Leisure」誌「2013 グローバル・ビジョン・アワード【文化部門】」を受賞 |
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設立から15年 | |
平成26年 (2014年) |
11 月、京町家等の適切な継承を促進するためのネットワーク「京町家等継承ネット」設立 |